Jazz meets Blues

手紙のように書きとめる、音楽やライブの記憶、地元のお店の思い出。

ピアニスト・Rakira/ラキラさん

路上のピアニスト、きっと僕が20代の頃から演奏されているんだと思う。

体調に余裕のない頃は、街中の演奏は振り切るように通り過ぎることの方が多かった。

それでも友達が「駅前で演奏してるピアノいいよね」と話題にしたり、ラジオで取り上げられているのを耳にしたり、立ち止まらない理由の方がないはずだった。

昨年夏、落ち着いた体調で過ごしていたのに、ガックリとするような出来事が続いて疲れ切っていた時。いつものように演奏が聞こえてきて、人並みの流れから離れて聴いてみようと思った。

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旋律の美しさと、感情を込めて前屈みに鍵盤に向き合う様子、夜のざわめきを伴奏にして街中に溶け込む音。

今この音を感じるのと同じように、僕の感じていることは間違いじゃないだと安心させてくれた。

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Twitterでの告知を見ていてもタイミングは合わず、確認を忘れた頃にばったり出会うことが多かった。

他の用事があって立ち止まれない時にも、歩き過ぎながら次第に街中に溶け込んでいく音の変化を感じられるのが嬉しい。

遠くからふと音が止んだことに気付いた時は、きっとお客さんとご挨拶されているんだと思い巡らせていた。

街を見守るように音は続いてる。

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5月のその日は、告知を確認して駆けつけた日。

近くではソロピアノを楽しみ、少し離れて雑踏のオーケストラとの共演を味わい、それから演奏の合間にお声をかけて、初めてのCDを選んだ。

11枚目のオリジナルアルバム、美術展のようなというコメントに惹かれて。

毎年一枚、新しいアルバムを制作されて、2017年の最新作は18枚目になるとのこと。

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いつもそこにいてくれると思えるのが嬉しい。音楽を、ありがとうございます。

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