Jazz meets Blues

手紙のように書きとめる、音楽やライブの記憶、地元のお店の思い出。

榎ありささんと、10月15日の町田ミュージックパーク

土曜日のお昼に町田タミーナルプラザのミュージックパークへ。

今までは通り過ぎてしまうことも多かったけれど、少し前から街中で音楽を通じてひとと向き合うミュージシャン達に会いに行く…とまではまだ言えないけれど、ご挨拶するようなつもりで訪ねることが増えた。
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きっかけは1ヶ月だけ関わった音楽祭のボランティア。出演予定の榎ありさんがミュージックパークのステージにも立つと知って、様子を見に伺った時のこと。
体調の不安も乗り越えて歌うその姿は、音楽の技術や表現力という以上に、そのひとがここにいるという強い存在感を伝えてくれた。
今年の夏は町ジャズや一番街ジャズも、また東急で01cafeが出店する期間限定のoasisでのライブもあって、野外でのフリーライブを観る機会が多かったけれど、これまでの音楽の価値観が変わるような期間だった。
 
音楽祭は、ボランティアは辞めてしまったけれど、当日の榎ありささんのステージだけはとパリオの会場へ。 
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曇り空の一日、パリオの大きな窓からの優しい光の中、体調も落ち着いて元気に歌われている姿にほっとしてしまう。
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ファンの方も多く、手拍子も盛り上がる。終演後もお話される方が多く、町田や東京に限らず日本各地でこうしていろんな方々と向き合ってらっしゃるんだと感慨を覚える。
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そして、15日。この日は他の出演者も知りたくて、少し早めに駆け付けた。
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初めにまるさんという舞台でも活躍される方のギター弾き語り。優しい歌声も、思いを込めた表現も、力強い楽曲も。最後にマイクを離れての歌唱では、天井の高いこのパークの空間の広がりを生かすような高く高く伸び上がる歌声。ここでこんなにも綺麗に音が響くのを初めて聴いた。
慌てて近くのお店でメモ帳とペンを買って、しばらく忘れていたライブ中の感想メモを再開する決意を。
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榎ありささんのステージ、こうして歌うことの喜びが笑顔からも伝わる。そのままでそこにいてくれるのが、このままで僕がここにいることの自信にもなってしまう。
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ふと祈るような眼差しを感じることもある。少しずつありささん自身のことを知ると、背中を押すことまではできなくても、今ここにいてくれるなら、その歌声を受けとめたいと思う。
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優月さんの名前はこれまでも目に止まっていたけれど、歌を聴くのは初めてだなと思ったら、一曲目、すでにターミナル近くを通る中で自然と耳に残っていた歌だった。
繊細な温かい人柄が伝わり、歌声も優しく伝わる。
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タケウチタクヤさん。ギターのギランとした響きと歌声。明るい人柄も伝わり、最後の「おやすみココア」にホッとする。
1日1曲作曲にも挑戦されているそう。
 
この後もステージは続いたのだけど、予定もあり残念ながらここまでで退席。
いろんな音楽と歌声をライブで体験することができて、音楽と人に向き合う姿を見守ることもできるのが嬉しい。
出演後にお話できる時間もあるので、ありがとうとだけでも伝えたい。

アンジー(相模大野)

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名前だけは以前から知っていた相模大野のアンジー。所在地も把握していたものの、時間が早すぎた、定休日だった…等々、タイミングを逃していた。
ふと思い立って、夕方過ぎに訪問。
お店の外にも映画のポスターが見える、90年代から00年代の作品が多いような。
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店内は暗い暗いとは聞いていたけど、本当に暗い。ポスターがいたるところに、各テーブルにはパラソル、ほとんどの席がソファ。
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メニューは手書きで、ドリンクの種類か相当多い。お酒とおつまみ、食事も…ただ暗くて目が慣れるまではメニューを読むのも四苦八苦。
それが困るというよりも、独特なコンセプトに感じられて、不思議。
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オーダーはテーブルでではなく、カウンターのスタッフまで伝えに行くスタイル。
この日は若いスタッフさんでした。
ジャスミンティーは200円、量も多くはないけれどすぐに出てくる。
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意外なのは、ポテチやカップ麺も置いてあること。飲食店とこういったものは相入れないと思っていたけれど、訪れるお客さん達も学生さんが多いようで、安いものに需要もあるのかもしれない。
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入り口側の席は良く見る余裕がなかったけれど、この奥の席はソファではなくパラソルもなく、視界も遮られ、個室感があって、次回はあちらへと思います。
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ストーンズに目がいってしまうけど、レザボアドッグス、ひまわり…と渾然一体。
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昭和のまま時間が止まった喫茶…というイメージで訪れたのだけど、実際に感じたのは“文化系大学生の部室”感。
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ロリータ、ドラッグストアカウボーイ。
ソファに座る、スタッフの方の目が届いているのかも分からない、音楽がドンピシャでもない。
いつのまにか、ほっておかれて落ち着くあの感覚を久しぶりに味わっていることに気付いた。
20代の頃、町田の今はなきマーカーズカフェでこんな風に過ごしていた…。
お店のひとと話すことも魅力だけれど、ひとりになる楽しみもある。ひとりになるならチェーン店でもと思うかもしれないけれど、あの機械的な感覚がニガテな僕はまたアンジーに来てしまいそう。
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「相模大野 アンジー」で検索するともっと綺麗な明るい写真をアップされている方もいらっしゃるのぜひ探してみてほしい。
集中した時間を過ごしたいなら、読書には向かないかもしれないけれど、例えば考えをまとめたいとか、スマホに文章を書き出す時には最適かもしれない。(奥の席が読書にも向いている可能性もあるので確認しなければ)
 
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喫煙可、分煙なし、空気清浄機があり、店内がモクモクという印象はないけれど、外に出ると服にニオイが残ることに気付く。
それを超えてアンジーで過ごすことに魅力を感じるひとも多いと思う。
新しい穴倉、発見!
 

竹内直+蜂谷真紀(町田ノイズ)2016年5月31日

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書くのが遅くなったけれど、5月の町田ノイズの投げ銭制ライブ。
若手実力派ミュージシャンの出演が多いような印象のある町田ノイズ、そこに竹内直+蜂谷真紀という単純に言って「スゴいヒト」が出ると知って驚いた。
東海ツアーの最終日にブッキングされたとのこと。諸々の事情から異例の平日火曜日開催、時間も遅め。
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お客さん達もなんとなく普段は見かけないような「平日なら来れる」という方が多いような印象。
 
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1st.Set
1. Bird Alone
鳥のホイッスルから始まり、ピアノへとつながる。やがてフルートが残された空間を満たしていく。
ピアノという木々にフルートという風が吹いている中で、ヴォーカルが寄り添っているような…。
2. in a Mellow Tone
ヴォーカルとサックス
竹内直さんは音を出しながら蜂谷さんのピアノを聴きながら、ノイズでの響き方を確認するように店内を巡る。
3. Come Rain or Come Shine
ヴォーカルとフルート。
サックスの自由さと強さにたいして、フルートでは空間全体を成り立たせるような印象。
4. Inchworm
ピアノと、パーカッション(というよりいくつかの鳴り物)からフルートも。
ヴォーカルの即興性に驚かされる。
5. 竜骨
サックスが温かく生々しい"声"を感じさせる即興、そしてヴォーカルではなく「ヴォイス」の即興。
6. That's All I Ask
ニーナシモンの歌唱でも有名な歌。「小さな愛でもいいから変わらない愛がほしい」という歌詞とのこと。
ノイズの平日の夜の穏やかさに合う、子守唄のように見守ってくれる歌声。
 
DUOと聞いてシンプルな演奏を連想していたけれど、数種類の管楽器、鳴り物も複数、ピアノとヴォーカル、ヴォーカルとはまた違うヴォイスの表現…なんと多様な世界だろう。
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2nd
1. Come Sunday
2ndはサックスのソロからスタート、ピアノはサックスを支えるように。これだけで1stでの印象を上回る。
ピアノソロではヴォイスも織りまぜ、後半ではサックスとヴォーカルが交じり合う。
2. (メモ不確か)
オーネットコールマンの楽曲。
菅と声の即興の醍醐味。
3. Traveling with a Dead Man
ハーモニカの郷愁。親指ピアノは水琴のように優しい。日本語で歌われることが真新しく感じられ、言葉の意味がそのまま身体の中に入っていく。
バスクラリネットが砂漠の夕陽を思わせる。
まるで、トムウェイツのWaltzing Matildaへの返歌のように感じる。トムウェイツがどこかへどこかへ…と彷徨い続けるかのように歌うのに対して、
蜂谷さんは「ここだよ、どこかには行けなかった、でもここでいいんだ」と辿り着いたように歌う。
4. Deep River
深く深く圧倒されて、メモさえ残さずにいた。
 
アンコール
1. I'll be Seeing You
「どこにいても君の姿が浮かぶ」という歌詞。
優しいバラードで気持ちを解してくれる。
2. 君の宝物
この日のこの時間の中の、音の中で、お二人が泳いでいるかのように感じられる。
爽やかな曲で、1日を幸せに終わらせてくれる。
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終演後は、町田ノイズに来て下さったお礼にと用意していた小さなプレゼントと、カードには少しだけ感想を走り書きして、お渡しすることができた。
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古い英字新聞から切り抜いた動物のイラストを使い作品化しているという「ささおかはなえ」さんの缶バッチです。
http://www.hanaesasaoka.com/
 
そして、今月…
竹内直+蜂谷真紀
町田ノイズAgain!
10月23日(日)18〜20時 [ 投げ銭制Live ]
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投げ銭制ライブとは
通常通りご来店頂き、お会計の際にレジ横の投げ銭カゴに、演奏者への対価料(ギャラ)にお客様ご自身で決定して頂いた額をひらりと入れて頂くシステムです。(要1オーダー)
■ご予約は
お電話にて (042-725-5797)
または町田ノイズTwitterのメッセージより
または町田ノイズHPのご予約用メールフォームより
※HPを新しく整えるお手伝いもさせて頂きました。
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